月経の悩みはピルの服用で解決!

20代の女性は生活習慣病よりも性病の感染やホルモンバランスの乱れに注意

体力も気力も充実している20代の女性は、生活習慣病などのリスクは少ないものの、クラミジアや膣カンジダなどの性病(STD)やホルモンの異常を訴えて婦人科を受診する人が多いので、セックスパートナーの男性が複数いる人、セックスの際にコンドームを使用しない人は注意しましょう。過労やストレスで免疫力が低下したり、職場環境の変化などでホルモンバランスを崩してしまう女性は想像以上にいるものです。

交際中の若いカップル

20代の女性の体は代謝がまだまだ高いので、食事で十分な栄養とエネルギーを接種する必要があるのですが、モデルや女優さんのような体型を目指して無理なダイエットをしたり、外食中心の偏った食生活や不規則な生活リズムなどで体調を崩してしまうことも少なくありません。

そのため原因不明の冷えや倦怠感などを不調を抱える女性もいます。さらに貧血や月経異常(我慢できない月経痛、PMS:月経前症候群)になることもあります。また、バセドウ病などの甲状腺機能の異常や膠原病(自己免疫疾患)が潜在していることがあり、その場合には女性ホルモンのバランスに影響を及ぼしたり、将来の妊娠や出産にリスクが生じる可能性もあります。

20代の女性で、将来の妊娠・出産を希望しているならば、この時期から性病や卵巣の検診は勿論、甲状腺の異常や膠原病が隠れていないかを病院で検査を受けておくと安心です。

普段の月経痛と思っていたら、子宮内膜症が隠れていることがしばしばあります。子宮内膜症の主な症状は月経痛ですが、同じ子宮内膜症でも卵巣チョコレート嚢種だけが進行している場合、無症状のまま悪化し、膿疱が破裂して急激な腹痛が起きて発症することもあります。

子宮内膜症の症状と注意が必要な問題点は、月経痛、セックスの痛み、排卵痛、骨盤痛などの痛み、卵巣チョコレート嚢種の破裂、がん化(卵巣チョコレート嚢種の約3%は、将来がんを発症するとされています)の4つです。20〜30代の女性が気をつけるべきなのは不妊のリスクです。

不妊女性の約60%が子宮内膜症を合併しているという報告があり、不妊症の検査として、腹腔鏡で子宮内膜症の確定診断を行う医療機関も増えてきました。月経痛や卵巣嚢腫の所見があって子宮内膜症が疑われる場合には、積極的に腹腔鏡下手術で病巣を取り除くことで、妊娠の確率が上昇することがわかっています。ピルで子宮内膜症を抑えてきた女性や、月経痛や卵巣嚢腫がある不妊の女性は、腹腔鏡下手術の選択肢があることを頭の片隅に入れておきましょう。

子宮内膜症の確定診断は、現在のところ腹腔鏡で病巣を直接確認できた場合になされることが決められています。卵巣の腫れがある場合、超音波検査、腫瘍マーカー、MRI検査だけでも信頼度の高い診断が行えますが、これでも確定診断には至らず、臨床診断と位置づけられています。

月経痛がある、あるいは内診時に子宮の後ろに圧痛がある、という症状だけで子宮内膜症と診断されるケースもありますが、臨床診断であっても、最低でも、卵巣の超音波検査と腫瘍マーカーは必要となります。