月経の悩みはピルの服用で解決!

乳白色のおりものは正常ですが、量が増えたり、変色、血が混じる場合は婦人科で診察が必要

婦人科を受診する患者さんの悩みで最も多いのは、おりものに関するものです。実際におりものは、婦人科領域の病気のサインであることがあります。したがって、「おりものの状態(形状・色・量など)がいつもと違うけど、痛みとかはないから大丈夫でしょ!」と軽視することは禁物です。その一方で、正常なおりものの状態を異常だと勘違いして婦人科にやってくる患者さんも少なくありません。

性病の感染が不安な彼女

正常なおりものは、子宮頚管の粘液腺から分泌される粘液で、透明感のある乳白色をしています。通常、月経中期(排卵期)に量が増えますが、妊娠、セックスで性的に興奮しているときも増えます。このように月経の周期にあわせて量が変化するおりものは、正常な証拠です。排卵後はおりものが少なくなり、粘り気が増してくるのが普通です。

一方、異常なおりものは、子宮頚管の粘液腺からではなく、卵管や膣、子宮頚管などから分泌されます。個人で異常と判断する目安にしやすいのは、おりものの色や性状です。黄色や緑色、泡立っている、血が混じっている、生臭いにおいがする場合は、「乳白色で無臭」の生理的なおりものと明らかに異なるため、異常なおりものとなります。

異常なおりものが見られる場合、その量も多くなる傾向にあります。病気の進行とともに、いったんおりものが無色になったり、あるいはすす様の黒っぽいものやチーズ状、豆腐のかす状、肉汁状に変化することもあります。

おりものの異常の原因としてはまず膣炎が疑われます。カンジダ(カビの仲間)やトリコモナス(原虫)に感染して発症する膣炎がよく知られています。また子宮頚管炎や子宮内膜症、卵管炎、子宮頚管ポリープ、子宮筋腫、タンポンの長時間使用や膣内のコンドームの置き忘れ等による細菌の繁殖などでも起こります。ほどんどは即重大な疾患に結びつくものではないので、落ち着いて婦人科を受診しましょう。

色や性状がわからないときは、量の増加を目安にしてもよいでしょう。といっても、自分の感覚と実際の量は違うことは少なくないですし、少量でも多いと感じる人もいます。したがって、下着を何回も履き替えなくてはならないほど量が多いときは、異常のサインといえます。

セックスの前後、また妊娠後におりものの量が増えるのは生理的なものであって、大量に出ない限り心配いりません。更年期とそれ以降のは、月経がないため一般的におりものはありません。しかし、閉経後も、子宮がんの初期症状としておりものがある女性もいます。特に血が混じっている場合は要注意ですので、必ず婦人科で医師に診察してもらうことが必要です。

膣内は、雑菌の侵入を防ぐために、デーデルライン桿菌(善玉菌)によって強い酸性に保たれています。しかし、抗生物質の長期服用、糖尿病などの持病、膣の洗いすぎなどで酸性度が低下して自浄作用が損なわれると、菌が侵入し、繁殖しややすくなります。その結果、おりものの異常が引き起こされることもあります。