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ホルモンバランスの乱れによるPMS(月経前症候群)

女性ならば程度の差はあれ、誰もが月経の前になると、「おりものの量が増える、ニオイがきつい」、「体が冷える」、「ニキビ・肌荒れ」、「体がだるい、眠い」、「のぼせ、ほてり」、「気分がイライラする」など、いつもと違う心身の症状が現れます。

生理前のイライラはPMSの症状

これらは自然な生理変化ですが、日常生活に支障をきたすほど症状が重くなると、PMS(月経前症候群)と診断される病的な状態で治療が必要になります。PMSの原因は、ホルモンバランスの変化という説が有力ですが、それを理解するためには、ホルモンについて知っておく必要があります。

卵巣や卵管、子宮が正常に働いて、妊娠しやすい環境をつくることができるのは、ホルモン(刺激によって内分泌細胞からつくられる物質)のおかげです。ホルモンは目標とする細胞に働きかけることで、生命の維持や、子孫を残すための働きが円滑に行えるように調節しているのです。

脳の視床下部という部分が、ホルモンのコントロールをつかさどっており、視床下部が指令を出すと、脳下垂体からホルモンが分泌されます。重要なホルモンには、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)の3つです。

月経周期に合わせて、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンが、卵巣の中にある卵胞を刺激します。卵胞はエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌したり、その後黄体化ホルモンに刺激されて排卵した後に黄体となり、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌して、体の変化を促します。

このホルモン分泌の指令を出している視床下部は、循環器系や消化器系、自律神経系の中枢となっており、ホルモンバランスが乱れると、それぞれのサイクルにも変調をきたし、視床下部では調節がきかなくなります。その結果、血流が滞って肩こりや頭痛が起きたり、腸の蠕動運動が低下して便秘・下痢になる、などの「PMS(月経前症候群)」の不快な症状が現れるのです。

また視床下部は感情をつかさどる中枢と隣接しているため、ホルモンバランスの乱れによって視床下部が影響を受けると、怒りっぽくなったり、不安、憂鬱などの感情の面でも症状が現れるのです。